パジャマ


夜中、突然甘いものが食べたくなってジョナサンへ。

何せまだ三が日だからガラガラかと思いきや、そこそこ人がいてビックリ。適度なざわつき具合に何となくホッとしつつわらび餅ソフトを注文し、ノートとにらめっこ。暖房が効きすぎで少し暑い。上着を脱ぎ、わらび餅をつつきながら再びノートとにらめっこ。と、二つのテーブルを挟んだ向かいの席に座ってた女の子たちがこっちを見て笑っているのに気付いた。突然こんな声が聞こえた。

「パジャマじゃん(笑」

俺はパジャマを着ていた。「上着脱がなければ問題ないだろ」って感じで、パジャマにカーディガン(緑色のお爺ちゃんぽいやつ)、その上に上着を羽織って出てきたのだ(勿論下はジーンズです。念のため)。彼女たちは俺のパジャマ姿を見て笑っていたのだ。見たところ彼女たちはハタチ前後。「あのね。このスタイルはカート・コバーンもね…」なんて言っても絶対通じないだろう。が、俺はけっこう普通にコンビニに行くし、近くの自販機に行くぐらいなら下もパジャマで全然OK!ぐらいの勢い。
ところがだ、彼女たちのうちの一人が吐いた「パジャマじゃん(笑」という言葉、その響きと音階には人の心を打ち砕く何かがあった。“パ・ジャ・マ・ジャン”。この4つに区切った言葉を音階でいうと“ド・ソ・ファ・ド”となる。高い“ド”から“ソ”と“ファ”を挟みつつオクターヴ下の低い“ド”へと落ちていく。この落ち方が人を小馬鹿にしたような響きを生み、俺の心をポキリと折ったのだ。
急に恥ずかしくなった。上着を着ようとさえ思った。が、こんなことで負けていいのか?俺は彼女たちに聞こえるか聞こえないかぐらいの絶妙な音量で「暑いなぁ」と呟いてカーディガンを脱いだ。俺はなにもうっかりパジャマを着てきたわけではない。俺は好んでこの格好でジョナサンにわらび餅を食べに来たのだ、というアピール。彼女たちのテーブルが静かになった。「勝ったな」と思った。彼女たちに気取られぬように前髪の隙間からこっそり彼女たちの方を見た。呆けた顔をして凍り付いている。ふふふ、大人をなめんなよ。と思ったその時に。

「やっぱパジャマじゃん(笑」

“ヤッ・パ・パ・ジャ・マ・ジャン”。音階でいうと“ド・ソ・ド・ソ・ファ・ド”。高い“ド”から低い“ド”へアゲイン。これが最後のトドメだった。俺はガックリと肩を落とした。が、店を出るまで上着は勿論、カーディガンも着なかった。せめてこれを読んだ皆さんにだけは俺の不屈の闘争心が伝わることを信じつつ、今日のコメログを締めることにします。グッジョブ、俺!(泣。

2009,01,04, Sunday


静かに、でも確実に


2009年の一日目がやってきた。

31日の夜に買い物に出た時、人通りの少ない町並みに何となく物寂しげな雰囲気を少し感じた。近くの神社の提灯が煌々と明かりを放っていたせいもあるかもしれない。あと数時間後にいつもより多めの人がやってくるであろう神社の、準備万端で待っている様子。年が変わって、景色が変わる。誰かの日常と世の中の日常と自分の日常。年が変わったからって、自分の中の何かがリセットされるわけじゃない。今日は昨日の続き、昨日は一昨日の続き。でも何かが変わる。新しい年。

10日のライヴに向けての気合いは充分です。
寧ろ少しフライング気味なぐらい。そんな俺ですが今年もよろしく!

2009,01,01, Thursday


presto


今年も今日一日で終わり。
ライブの本数は少なかったけど、俺自身はいろんな意味で濃い一年でした。
来年はライブをたくさんやるつもり。
まずは年明け10日の神楽坂。それから、肉ツアー。
新しい曲も出来たから、楽しみにしていてください。俺もめちゃくちゃ楽しみ。

今日の残り一日を幸福に過ごして、
そして来年はもちろんもっと幸福に。
みんなにとって2009年が良い年でありますように!
来年またライブ会場で会いましょう!

2008,12,31, Wednesday


jingle bell!


人がやってくることなんてない早めの午前中、インターホンのベルが鳴った。

「警察…?」と咄嗟に思ってしまった。今の部屋に引っ越して間もない頃、新居の快適さに喜ぶ余り真夜中に120%の出力で弾き語ってしまい、近隣の方々からの通報でやって来たSWATに拳銃を突き付けられたトラウマと戦っている身なのだ。というのは大げさだけど、午前中の早い時間にやってくるなんて大概良い知らせじゃない。ところがモニターにお兄さんは作業着姿で、とても爽やかな笑顔を浮かべている。モノクロ映像だからわかりづらいが、どうやら宅急便。恐る恐る受話器を取り上げ用件を尋ねると、「お届け物です!」という実に爽やかな返答が。

「誰からだろう…?」。全く見当がつかないまま封を開けてみたら!サンタクロースの直筆メッセージ&絵&先日の愛しのベイビー達とのラブラブ・ディズニーランド・デートの写真付きのプレゼントだった!ベイビー達は一生懸命考えてプレゼントを選んでくれたらしい。そして「サンタさんよりってお手紙書こうね。コメちゃんビックリするかなぁ、うっしっし」と可愛い策略をたててくれたらしい。この歳になってサンタクロースから手紙とプレゼントをもらうなんて、そりゃあビックリだよ。ベイビーとお兄ちゃん、お母さんにありがとうを。

そして何通か、クリスマスカードや手紙をくれるアナタ方へもありがとうを。
良いクリスマスを過ごしてください!

2008,12,24, Wednesday


water lily


もう雨は止んでるかもね
そう言って君は窓の外に目をやった
ねぇ鳥が飛んでるあそこ
そう言って君は空の青に溶け込んだ

カーテンが少し揺れた
キラキラと光舞って
君の胸の上に落ちた

少しずつ消えていく君の匂いに
しがみつくように爪を立てて
引き裂いた

冷たいシーツ 千切れたアルミホイル

boy meets girl.

ねぇキミを呼んでるんだよ
そう言って君は僕の頭抱き寄せた
ほらまるでトンネルの中
そう言って君は頭から毛布被った

風が窓を叩いた
カタカタと音を立てて
僕らのやり取りを笑った

少しずつ消えていく君の温もりに
しがみつくように爪を立てて
引き裂いた

腐ったチーズ 溶け出すコールタール

boy loose girl.

ねぇ手を繋いでもいいよ
そう言って君は僕の目を覗き込んだ
もう私死んでるのかも
そう言って君は君は目を閉じて微笑んだ

羽より軽い言葉
フワフワと宙を舞って
どこにも着地せずに消えた

少しずつ遠ざかる君の白い背に
しがみつくように爪を立てて
引き裂いた

壊れたワルツ 青ざめたボードレール

boy kills girl.

息をするだけで血を吐きそうだぜ
なんて青臭い言葉
吐いてみたいなんて思う僕は
なんて浮ついた生き物

左利きのパンク トビウオのピアス
坂道を駆ける 鼻歌混じりで
覚えているかい 懐かしいスワンソング
最後の言葉を 思い出せない

boy meets girl.

2008,12,19, Friday


クリスマスが待ち遠しい


唐突だけど、
ディズニーランドに行ってきた。

俺の愛しのベイビー(ツンデレでドS)とお兄ちゃん(時々詩的でロマンティックな発言をする5歳)を囲む何人かの大人たちというにぎやかさで、オープン25周年を迎えて沸き返るTDLを満喫してきた。ベイビーの4歳の誕生日、「コメちゃんとディズニーランドに行きたいの〜」という電話がかかってきたので、全ての予定をキャンセルして馳せ参じた大人の男、俺。でも何だかんだ言いつつ今日という日を一番満喫したのは俺だったと思う。髭を剃り忘れたために今日もベイビーからのキスを逃してしまったけど、とにかく楽しかった。

そんなベイビーとお兄ちゃんのために、クリスマス・ソングを作った。
生まれて初めて書いたクリスマス・ソング。大好きなおチビさんたちを喜ばせるような何かを俺は持っているだろうか?俺にしか出来ない方法で二人をニッコリさせることは出来ないだろうか?色々考えた末に、オリジナルのクリスマス・ソングを作ることにした。
クリスマスの歌なんだから楽しげな曲の方がいい。ということで俺の伝家の宝刀であるマイナー・コードは封印(当たり前か)。50'sポップスみたいな楽しげなリズムがいいな。聖なる夜に相応しい綺麗なコーラス入れたいな。タンバリン振ってキラキラさせなきゃ。でも綺麗過ぎるのも何だからファズ・ギター掻き鳴らしちゃおうかな、etc…。そんな感じで作った曲がJUST LIKE HONEYしてたから、“JESUS AND KOMERYCHAIN(通称ジザコメリ)”という名義でのクリスマス・ソングということにした(わかりにくい駄洒落でごめん)。

世に出ることはないだろう楽曲についてここで語るのは場違いだとは思う。でも、それでも素直な気持ちで誰かのために曲を作り、ギターを掻き鳴らし、歌を歌うことで、俺の中で凝り固まっていた何かが少しだけ、ほんの少しだけだけど、ほどけたような気がした。それはきっとこれから書く曲に良い影響を与えてくれる。そう信じたいんだ。だから今日のコメログに関しては「またコメの奴、しょーもない日記書きやがって」と笑って見逃してください。

これを聴いたらおチビさんたち、どんな顔するかな。喜んでくれるかな。俺が歌ってるってわかってくれるかな。ニッコリしてくれたらいいな。この曲を聴いてロックが、いや、音楽が好きになってくれたら嬉しいな。あぁ、クリスマスが待ち遠しい。

2008,12,12, Friday


「わたしは海を抱きしめていたい」


 自由な人間よ、常に君は海を愛する筈だよ!
 海は君の鏡だもの、逆巻き返す怒濤のうちに
 君が眺めるもの、あれは君の魂だもの、
 君が心とて、海に劣らず塩辛い淵だもの。

         --------ボードレール「人間と海(L'homme et la mer)」より抜粋--------

今日はとても暖かかった。
昼過ぎからずっとギターを弾いていた。
何も特別なことはない、僕にとっては当たり前の日常。
それをとても愛おしく思った。
どんな音楽もいつかは終わる。
レコードから針が離れてゆく。
でも、それがいいんだ。
永遠の幸福、永遠の快楽なんて知らない。
音楽はいつか必ず終わる。
儚いからこそ、永遠じゃないからこそ、僕はそれを信じられるんだ。

来年1月からライヴ活動を再開します。
籠もり過ぎて凝り固まった血の巡りを良くするように。
僕の歌を、声を、魂を、あなたたちの胸に届けるために。
痩せた二の腕で、逆巻き返す海を抱きしめて。
歌いに行こうと思う。
どこへでも、どこまででも。

2008,12,10, Wednesday


ぬくもりこそ正義


寒くなってきたからあったまりたくてスープを作った。
この季節に暖かいということは何よりも素敵。

毎度おなじみミネストローネ。
 ・野菜を切り少し炒める
 ・ソーセージとベーコンを炒め、野菜と一緒に
 ・鍋に水とカットトマトを入れ、弱火で煮込む
 ・ブイヨン投入
 ・塩と胡椒で味加減を調整
 ・ケチャップを少し入れるのが好み
 ・煮えるまで待つ
去年教えてもらったミネストローネの作り方。今冬初のミネストローネを食してみる。うむ、美味しい。おかわりをする。うむ、美味しい。またおかわり。こんな感じで4人分はありそうなミネストローネを、あっという間に平らげてしまった。温かい食べ物って良いですね。体も心も芯まで暖まる。

でもね、食べながらふと思ったのです。ミネストローネってこんなんだったけ?と。外で食べるミネストローネってもっとサラサラしてなかったっけ?もっとスープが透き通ってなかったっけ?何か俺が作ったミネストローネ、ドロドロ&ゴツゴツしてる。いや、美味しいんだよ、ホントに。俺は美食家じゃない(何たって大好物がカレーとみかんゼリーです)けど、美味しい食べ物とそうでないものの区別ぐらいつく、たぶん。このスープはとても美味しい。一杯食べれば風邪だって一発で治りそうなぐらい美味しい。でも、これをミネストローネと呼んで良いんだろうか…?という疑問が頭を過ぎる。一度疑問に思ってしまったらもう止まらない、止めることが出来ない。あぁ、このスープは一体何なんだろう?何と呼べば良いのだろう?誰か教えて。

いいや、美味しいから。コメストローネと呼ぶことにしよう。



2008,11,27, Thursday


無題


窓を開ける
青空が見える
ベランダに出て
深く息を吸ってみる
僕は青空の一部を呼吸してるんだ
という気持ちになる

冬の夜にそっと被せられる毛布のような
あたたかさ、やわらかさ

いつもとは違う時間がそこには流れて
いつもとは違う静けさがそこにはあって
眠っているときも
目覚めているときも
僕はきっと微笑んでいたと思う

夕暮れ時に天使が舞い降りた

完璧な一日
そう、ただの完璧な一日

2008,11,26, Wednesday


にゃあ


うちのマンションの共用玄関オートロックなのに、こいつは一体どこからどうやって入り込んだんだ?余りの可愛さにそんな疑問は一瞬で消し飛び、思わず猫語で話しかけてしまった。

「かわいいにゃあ〜。おまえはどこから来たのかニャ?」

すると猫くん、俺の足に体を擦りつけてきた。人慣れしてる。けど首輪はしていない。野良なんだろうか。野良にしては毛並みが綺麗だ。一体君はどこから来たの?頭を撫でて抱き上げてやったら、トロ〜ンとした顔で俺のことを見つめ返してきた。ヤバい。「こいつが家で待っててくれたら、寄り道なんかせずに真っ直ぐ帰るだろうなぁ」とか、「こいつと一緒に寝たらあったかいんだろうなぁ」とかいう思いが脳裏をよぎる。連れて帰ろうかと思ったけど、甲斐性無しの男に飼われて幸せになれるはずがない。

「お前を連れてはいけないんだよ…。ごめんにゃあ…」と呟き帰ろうとしたら、俺の後をテベテベついてくる。振り返って抱き上げてやろうと思ったが、断腸の思いでドアを閉じた。ドアの向こうから「にゃあ〜」という声が聞こえてくる。ドアをカリカリと引っ掻く音が聞こえてくる。もうちょっとだけ遊んでやろうかなぁ…。否、俺がしなきゃいけないことは半端な優しさをなくすことだ。飼ってやれないのなら、ここで断ち切らなければいけない。

俺はラジカセのスイッチを入れた。
猫くんの声を掻き消すように、the auteursの「I'm a Rich Man's Toy」が流れ出した。
にゃあ。



2008,11,25, Tuesday